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リズム練習方法

リズム練習方法


リズム感を良くするにはどんな練習が必要か

人によっていろいろな練習方法があると思います。僕自身、20年間くらい悩み続けていますが、いろいろ試すなか、「これだ!」という方法を編み出しましたので紹介します。

まず大まかなイメージですが、例えば野球で、キャッチボールや素振り、ベースランニングなどの練習いろいろありますが、その前に基礎体力が必要です。そんなの当たり前なのですが、意外に見落としがちというか、今の自分の基礎体力がどの程度なのかきちんと把握できているかというと・・・・・さっぱり分かりません。
友達の誘いで草野球の試合を観に行ったとしましょう。僕は中学まで野球部の補欠のホケツだったので大いに興味があります。お前もやってみないか?なんて言われて、キャッチボールの真似事はかろうじて出来たとしても、50メートル走っただけでゼーゼーしてたら野球になりませんよね?素振りもちょっとくらいは出来ますが、真似事の域を超すには本気で基礎体力をつけるトレーニングが必要になります。

リズムも全く同じです。メトロノーム裏打ちをしたり、3連で…とか、練習方法はいろいろあるようですが、基礎体力ならぬ「基礎体内リズム」がしっかりしていないと意味がありません。
ということで、基礎体内リズムを養うためのリズムトレーニング方法を紹介します。

ジャストの位置

リズムの本質は集中力です。リズムに対して正面から向き合い、1点に集中することです。
メトロノームを60にセットして、1分間 集中して聴いてみてください。
・・・・・お疲れさまでした。鏡を見るとミケンにシワをよせて妙チキリンな顔をしていると思います。リズムに集中しようと頑張りましたが、どこに、どう集中すればいいか分からない、という感じですよね? このあちこちに散らかった意識をある1点に集中させ、さらに集中力を高める必要があります。

メトロノームを止めて、今度は サン・ハイ・「パン!」と手拍子してください。「パン!」がちょっと早すぎたり遅れたり、バラバラになるのが普通です。
理想的な「パン!」の位置を「ジャスト」と呼びます。テンポが決まればジャストの位置も決まるはずなのですが、そう簡単にはいかず、人それぞれちょっとズレがあります。「ここだろう」と思い込んでしまっている場合が多いのです。
本当のジャストの位置は、もう少しだけ先にあります。本当のジャストの位置を体で掴んで、その1点に集中する。これがリズムトレーニングです。リズムに対する意識改革と言っても大袈裟ではありません。

目からウロコのリズムトレーニング

「思い込みのジャスト」と「本当のジャスト」の違いが何となく分かったところで、どうやって掴むか に進みましょう。

リズムトレーニング図1

メトロノーム 60に合わせて4分音符を手拍子してください(休符は休む)。 ♩=120 ということですね。当てずっぽうに手を叩いてもフライングしたり遅れたり、なかなかジャストに合いません。合ったとしてもまぐれです。まだ全然集中できていません。
フライングするとジャストを感じることは出来ません。手拍子の残響でメトロノームの音が消されてしまい、本当のジャストの位置を意識するのが難しくなります。それどころかフライングしていることにも気付かず、「だいたいあってるかなー」なんて錯覚してしまいます。フライングはNGです。

そこで、わざと遅れて手拍子してみてください。メトロノームが聞こえてから手拍子をするので「あ、遅れた」とはっきり分かります。フライングしないように意識しながらこれを1分間続けてください。「ちょい遅れ」をキープしつつ、たまに大幅に遅れることもありますが、気にせず続けてください。ただし、フライングしてしまったら一度ストップして、気持ちをリセットしてください。

  • メトロノームに集中し、後ろから少しずつジャストに近づいていく

これが「目からウロコのリズムトレーニング」です。


今度は実践的なリズムパターンでやってみましょう バッキングなどに使われる、よくあるリズムパターンです。メトロノームは「表打ち(1拍・3拍)」です。ちゃんと理由がありますので、気持ち悪くても譜面通りに表打ちしてください。
8分音符が入ってくると焦りでフライングしがちになります。メトロノームと手拍子が一致する箇所(青丸)だけ意識してください。8分音符ウラは「この辺かなー」という感じでOKです。集中力が高まってくれば自然にいいポイントに落ち着きますので大丈夫です。

リズムトレーニング図3

コツを掴んだら1分と言わず10分でも20分でも続けてください。集中力を保ったまま続けていると、だんだんリズムが安定してきて体の力も抜けて、身も心も安定した、とてもいい状態になります・・・・・これが音楽をするのに理想的な状態です。
「リズムに意識を集中している状態」です。楽器を構えた瞬間にこの状態に入り、最後の音が消えるまで保っていられる、ステージ上でどんな派手なパフォーマンスをしようと、意識を常にこの状態に保っていられる人がいいプレイヤーなんだと思います。そうなるための日々の大切なトレーニングです。ちょっと大げさですが、「リズムに対する意識改革」と言ってもいいと思います。

最初はなかなか集中できないかも知れませんが、毎日続けていれば数分で集中できるようになります。徐々に時間が短縮していって、数十秒~数秒まで短縮されれば素晴らしい集中力です。こうなれば楽器を構えた瞬間に深く集中できるようになります。
このトレーニング、一度コツを掴めばもう安心・・・・・というほど甘くはなく、スポーツの基礎体力と同じで、ちょっとサボればすぐに衰えます。ツァーや執筆で忙しいフリをしてトレーニングを数か月サボったことがありますが、冷や汗が出るほど狂ってしまっていました・・・・・

テンポの目安はメトロノーム60ですが、日によって気分によって多少変えてもいいと思います。お勧めは50~60の間です。60より速くなるとフライングに気付きにくくなるし、テンポについていくのにいっぱいで集中しきれないかなと。逆に遅い方は上級者向けです。かなり深く集中していないとできません。一時期この練習にハマって、40じゃ物足りなくなり、電子式メトロノームを買って30に挑戦した時期がありますが、そこまでしなくてもいいかなと(^_^;) 今は50~60の間で練習しています。

楽器を使わずに手拍子でトレーニングするのには意味があります。楽器を演奏する以前の、体内リズムを養うトレーニングで、自分の中のタイミングを誤差なく音にするには手拍子が一番です。なんせ赤ちゃんの頃からやってますからね、手拍子は。

ちなみに、楽器演奏は手足口など体で楽器をコントロールしますので、脳ミソから指令が出て、実際に楽器から音が出るまでには少し時差が生じます。この時差をゼロに補正するためには、それ用の別の練習が必要になります。楽器によっても違うと思いますが、僕の場合はチャーリー・クリスチャンのレコードにピッタリ合わせて演奏するというやり方です。イメージ通りに寸分の狂いなく音を出せているかをチェックしています。完全コピーというやつですね。フレーズだけではなく、タイミングや音の強弱までピッタリ合わせる練習を重ねることで、イメージ通りに楽器をコントロールする技を磨くわけですが、これもサボるとすぐにズレてきます。弾いているときはイメージ通りと思っていても録音して聴いてみると愕然とします。日々少しずつズレていっていることに気が付かず、久しぶりにこの練習をしてみて初めて気付くわけです。まっすぐ歩いているつもりが、上空から見ると実は大きく曲がっていた…ような感じです。リズムは本当に恐ろしいです。というか、自分の感覚がいかにいい加減かを思い知らされます。

リズムだけには逆らえない、だからジャズは面白い!

チャーリー・クリスチャン完コピ動画です。ぜひご覧ください♪



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