菅野義孝のオフィシャルサイト。目からウロコのジャズギター・CD・ライブ情報など。

コード進行の読み方

コード進行の読み方

星の数ほどありそうなコード進行も、整理すれば数えられるくらいになります。さらに、上手に整理すれば憶えられるくらいになり、その意味を理解することができればアドリブできるようになります。
コード・パターンは地図の目印のようなものです。駅までの道順を教えてもらう場合、コンビニを右に曲がって、クリーニング屋を左に・・・・・など、目印が大切ですよね。曲のコード進行でも同じで、V-Imaj や V-Im という「メジャーまたはマイナーに向かう流れ」を目印にすると迷わず演奏することができます。曲のコード進行アナライズができるようになれば、曲の理解が深まるのはもちろん、新しい曲も面白いほどすんなり憶えられるようになります。


ダイアトニック・コード

ダイアトニック・コード は、コードを勉強する上で最も基本になるコードで、五十音「あいうえお・かきくけこ・・・」のようなものです。全部を一気に覚える必要はありませんが、1年生の教室に五十音の表が貼ってあるように、ここでもダイアトニック・コード一覧を貼っておきます。キーは Cmaj です。

ダイアトニックコード

上がコードネームで、下が度数です。Cmaj を1とした時に「ド・レ・ミ・ファ・・・」と数えていって何番目のコードかを表します。2番目が IIm7、3番目が IIIm7、4番目が IVmaj7、、、というように決まっています。デパートの1階が Imaj7 売り場で、2階が IIm7 売り場、3階が IIIm7 売り場、、、という具合です。7階建てのデパートですね。
この仕組みはどんなキーでも変わりませんので、基準になるコード( Cmaj7 )を入れ替えて、数字で考える方が分かり易いです。隣町のデパートも全く同じレイアウトで、壁の色や売っている品物が色違い という感じでしょうか。


地図の目印☆ 4つのコード進行パターン

スタンダード曲では 沢山のコード進行が出てきますが、しょっちゅう出てくる主役クラスのコード進行パターンを覚えると、曲全体の流れが掴めるようになります。次の4種類です。

4つのコード進行パターン

まっすぐ歩いて行って、
コンビニを右に曲がって、
クリーニング屋を左に曲がって、、、

という大きい目印が、曲でいうとこの4種類のコード進行パターンになります。

1度メジャーからはじまって、
6度マイナーに行って(II-V-I)、
4度メジャーに行って(II-V-I)、、、

というイメージでコード進行の流れをつかめば曲はどんどん覚えられます。まずはこの4種類のコード進行パターンをしっかり覚えてください。

解決先のコード(矢印の右側)は全てダイアトニック・コードに含まれるコードですが、矢印の左側はセブンスコードになっています。これらは、解決先のコードに対する ドミナント と呼ばれ、解決先のコードをカッコよくするための大事なコードです。


ドミナントは名司会者

ドミナントというと「不安定な響き」などと例えられることがありますが、最近僕が使っている例えは 「名司会者」 です。解決先のコードを上手に紹介して場を盛り上げてくれる、なくてはならない存在です。
Cmaj7について、いろいろエピソードを交えながら上手に話をもっていって…

それでは! お呼びしましょう!
Cmaj7 さん、どうぞー!

会場が わーっと盛り上がったところに登場する訳ですから、Cmaj7の存在が大きく引き立ちます。

司会者がいない、誰も紹介してくれないところに突然登場しても、会場は「ザワザワ・・・・・ 誰?」 この状態でCmaj7の存在をアピールするのはとてつもなく大変です。

ドミナントの重要さがお分かり頂けたと思います。



ドミナントの代表格は「V7(5度セブンス)」と呼ばれ、解決先のメジャーまたはマイナー・コードに4度進行します。例えば G7 ➜ Cmaj7 は、ルート音が「G・A・B・C」と4つ進んで解決する という具合です。
4度進行のことをドミナント・モーションとも呼びます。

このドミナントが ジャズ特有のカッコよさをかもしだします。もちろんポップスなどでも使われますが、使われる数がジャズでは断然多く、多いほど奥行きのあるカッコいいハーモニーが生まれます。

ドミナント説明



実際の曲ではどうなってる?

これらの コード進行パターン が、実際の曲でどのように使われているかを見ていきましょう。
FLY ME TO THE MOON コード進行の前半部分を使って解説します。

フライミー解説2

青い丸印 コード進行パターン の箇所です。ここがこの曲の骨格になり、聴かせどころ という訳です。4種類のコード進行パターンが全部入っています。
これらの メジャーに向かう流れ マイナーに向かう流れ 実はメロディにもちゃんと入っています。

フライミー歌詞

~ Fly me to the moon and let me play among the stars.

stars. でメロディが Cmaj7 に落ち着いてますよね?
2段目も同じで、Mars. で Am7 に落ち着いています。
1段目の C7 にはメロディがありませんが、ここはオブリガートの聴かせどころ というわけです。

メロディを歌えば、この 落ち着く という感覚が分かると思います。この感覚はコード進行でも全く同じです。コード コード コード 言うと難しく感じますが、メロディと同じ 音の流れ です。弦楽四重奏のような、メロディとハーモニーの美しい流れ---  それを無情に縦にズバッと切って、断面を見るとコードとかテンションとかいうムズカシイ話になる訳です。確かに流れを止めて断面でみれば理屈が分かり易いのかも知れません。地層を調べれば古い時代の歴史が分かるといいますが、音楽は今の瞬間に流れが聴けるわけですから、ズバズバ切ってばかりいないで ハーモニーの流れ を聴きましょう。
メロディの流れ・ハーモニーの流れを何となく意識しながら、歌詞の代わりにコードネームを歌ってみてください。

えーぇまいなー でぃーぃーまいなー じーぃせぶんしー
えふめじゃー びーぃーまいなー いーぃせぶんえまいなー

こうして流れで見ていくと、コードが全く分からない という方も印象がだいぶ変わったんじゃないですか?コードを一つ一つ追いかけていた方も、譜面が今までと全然違って見えているかも知れません。

楽器奏者だけでなく、ヴォーカリストの皆さんも ぜひこの方法でコード進行を読めるようになってください。スタンダード曲を見ていくと分からないコード進行パターンも沢山出てくると思いますが、それはこれからのお楽しみということで、まずは4種類のコード進行パターンで落ち着くポイントを掴んでください。
コード進行が読めるようになると曲の理解も深まりますし、何より楽しいです!
ここで大きな第一歩を踏み出してください。
そのための強い味方がこのサイトとこの本です ⇩

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ドミナント家系図

ここで「ドミナント」について更に掘り下げていきます。Cmaj7のドミナントと言えば V7=G7 が代表的ですが、それ以外にもドミナントとして使われるコードがいくつかあります。G7の息子たち「ドミナント3兄弟」の家系図を考案しました!

ドミナント家系図

長男・次男・三男、さらに配偶者も登場します。彼らが G7(父ちゃん)の代わりに譜面の中に知らん顔して出てくるので混乱する訳です。
G7だけでも難しいのに、なぜ3兄弟なんてややこしくするのか! 僕もそう思っていたので、お気持ちはよく分かります。簡単に解説しますと・・・・・

ドミナント=G7 は、「解決先コードにカッコよく解決すれば何でもアリ」というコードで、全ての音が使えます。ピアノなら黒鍵白鍵全部、ギターなら普通の音階のみならずチョーキングやベンチャーズのテケテケなど可能性は無限大です。
昔の偉い人がいろいろ研究して、いい響きがする音の組み合わせを幾つか見つけて、その中で特にカッコいいやつがよく使われるようになりました。それをG7で表すと ♭9や#9、13など テンションのタンコブになり、更に、ベース音がルート=Gじゃなく別の音になったりすると分数コードになり・・・・・ どんどん複雑になっていきます。
G7では見づらいので、見方を変えて他のコードネームでシンプルに表したものが「3兄弟」というわけです。
なので、結局は「ドミナント ➜ トニック」という流れになります。
この流れを見抜いて弾きこなす、これが 目からウロコ流・コード進行の読み方 の極意です。


長男 B♭7 (♭VII7)フラット7度セブンス

「このセブンス・コードなんだろ?」の約半分はこの長男です。普通のII-V-Iではないセブンス・コードですが、かなりの頻度で見かけます。隣のFm7は配偶者で「サブドミナント・マイナー」というニックネームが付くほどの有名人です。どこから来たかと言うと、B♭7をIIm-Vの形に分解してできたコードです。実は、全てのセブンス・コードはIIm-Vの形に分解することができ、マイナー・コード(IIm)で考えることで、セブンス・コードの解釈だけでは見えにくいハーモニーの動きも見え易くなり、可能性が広がります。

ここで、ちょっと注意!
「IIm-Vの形に分解」 というと II-V-I を連想してしまいがちですが、I に解決する訳ではないので意味が異なります。
セブンス・コードをV7に見たてて、IIm-Vの形(4度進行)になるようにマイナーセブンス・コードを挿入することです。
Fm7-B♭7 とくれば E♭maj7 に行きたくなりますが、そうではなく、あくまでもCmajキーの長男と嫁さん ということです。

実際の曲の中では夫婦揃って登場したり、長男だけ、または嫁さんだけ登場する場合もあります。しかも解決先のコード(トニック)がCmaj7だったりEm7(IIIm)だったりしますので、組み合わせは6種類にもなります。これら6種類のどれを使うかは作曲者やアレンジャーの意向、譜面を書く人の好みに寄りますので、どれが来ても反応できるようにしておかないといけません。

フラット7度セブンス


スタンダード100曲を調べたところ、これら6種類が出てくる曲は50曲以上ありました! 超重要なコード進行パターンです。

B♭7(Lyd7) のLyd7とは リディアン・ドミナント・セブンス というスケールの名前です。スケールと言うのは「あいうえおかきくけこ」と一緒ですから、言葉としての意味はありません。なので、スケールで覚えるのではなく、意味のある 実際に使えるフレーズとして覚えてください。

フレーズを覚える際、6種類のコードパターンそれぞれでフレーズを弾き分けるのか?と言うと、そこまでする必要はありません。実際にアドリブする際は Fm7 → Cmaj という1種類の解釈でOKです。

「この辺にコンビニありますか?」
「近くにコンビニある?」
「コンビニって、この辺にー?」

コンビニの場所を尋ねるのに 人によって色々な言い方がありますが、どんな言い方をされても聞き取ることができる、そして実際に自分が尋ねるときは、

「この近くにコンビニはありますか?」

この1種類が自然に言えればOKということです。
Fm7 → Cmaj 「サブドミナント・マイナーからトニック」と憶えてください。B♭7 も Fm7 も、どちらも同じフレーズでOKです。

右ページ解説7-1



サブドミ・マイナーからトニック


実際のフレーズを幾つか紹介します。
Fm の「ド・レ・♭ミ・ファ・ソ」を素直に弾けばカッコよくなります。プラス、1音だけ飾りで「ルート=F音へ半音下からアプローチ」を使います。もともと Fm 自体がカッコいいコードなので、これ以上の飾りは余計(不要)です。B♭7(Lyd)の大事なテンション(9,#11,13)もちゃんと入っています。Fm のルートから5度までしか使わないので、マイナースケール3種類がどうのこうのも考える必要はありません。
このように、Fmで考えると分かり易くシンプルでカッコいい、特別扱いされる訳です。しかも F=サブドミナント のマイナーということで「サブドミナント・マイナー」なんてカッコいいニックネームが付いて、ますます有名になったのだと思います。
ニックネームにサブドミナントと付きますが、元はG7なので機能はドミナントです。

サブドミマイナー



次男 D♭7 (裏コード)

「裏コード」も有名ですね。サテンドールやイパネマ、グリーンドルフィンなどで使われます。
4度進行(G7 → Cmaj7)が半音進行(D♭7 → Cmaj7)になるので、特別扱いで「裏コード」というニックネームが付けられました。
普通のスタンダード曲集で見かける機会は案外少なく、上に挙げた3曲の他に数曲くらいでしょうか。裏コードはサウンドの個性が強いので、要所にオシャレにちょっと添えるくらいの、アレンジとして使う場合がほとんどです。調子に乗って使いすぎると逆効果のような気がします。香水みたいなものでしょうか。
堅実な長男に対して、フラフラっとさまよい、美味しいとこだけちょいっと持っていく辺りが正しく次男です。

裏コード説明

ちなみに、リアルブック等では裏コードを頻繁に見かけますが、あれは、ビル・エヴァンスなどジャズ・ジャイアンツのアレンジを参考に、こう演奏されることが多い という意味で、アレンジ譜に近いと思います。
曲をきちんと覚えるには、裏コードを使う前に、本来の4度進行で ハーモニーの流れ・響き をきちんと覚えることが大切です。そういう意味でも 白本「ジャズスタンダードコレクション100」はお勧めです!

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フレーズとしては、長男で解説した Fmフレーズと全く同じ考え方です。D♭7(Lyd)をIIm-Vの形に分解して A♭m で考えます。
分かり易く、FmフレーズをそのままA♭mに置き換えてみましょう。

次男フレーズ



三男 トニック・ディミニッシュまたは代理コード

これもよく見かけるコード進行です。dimでは「dimフレーズ」を使用してトニックに着地します。
この三男を理解するには、まずディミニッシュ・コードについてきちんと理解する必要があります。先に ディミニッシュ の章をご覧ください。

右ページ解説8

B7(VII7)はdimコードの代理コードです。「キーの半音下のセブンスコード」と覚えてください。
dim ➜ トニックの流れでdimコードを代理コード B7 にすると、 Em7 のドミナントとなり、マイナー・ドミナント・フレーズが使えるようになります。dimよりも可能性が広がるため、よく使われます。
dimフレーズ、マイナー・ドミナント・フレーズ どちらも使えます。


ディミニッシュ

いつかきちんと解説しなくては!と思っていましたが、やっと重い腰が上がりました。「よく分からんコード」のチャンピオン!ディミニッシュ・コードです。
アンケート調査したわけではありませんが、ディミニッシュの印象として、

  • パッシング・コード(つまり、よく分からない)
  • 暗い
  • 苦手

などネガティブなイメージをお持ちの方が圧倒的に多いように感じています。
そのほとんどが 食わず嫌い か 過去にマズいディミニッシュを食べてしまった という感じではないでしょうか?
ディミニッシュはとても美しいコードです。くすんだ石ころくらいに思っている方、とんでもない!ダイヤの原石ですよ。上手に磨けば輝きだします。
このサイトで美味しい美しいディミニッシュをたっぷり味わって、ディミニッシュのイメージを書き換えてください。

ディミニッシュのしくみ 1

ディミニッシュは短3度の音を重ねてできるコードで、1オクターブ12音を4分割するイメージです。時計の文字盤に例えると、
12時 3時 6時 9時
となるので、90度回転しても形が崩れません。短3度移動できるのはこのためです。

Cdim = E♭dim(D#dim) = F#dim = Adim

ベース音(ルート音)が違うだけで中身は全て同じですので、解釈も同じ、使うフレーズも同じです。譜面上はいろいろ出てきますが、ディミニッシュを考える(アナライズする)ときは代表して Cdim だけで考えれば分かり易いです。トニックのdimですから「トニック・ディミニッシュ」とも呼ばれます。

♭3度ディミニッシュ(下りディミニッシュ)

3度マイナー(または1度メジャー)からディミニッシュを介して2度マイナーへ下るパターンです。いつか王子様が などに見られる進行で、ディミニッシュの美しさが光る、ディミニッシュらしい響きです(僕の個人的な感想です)。

下りdim

#2度ディミニッシュ(上りディミニッシュ)

サブドミナントからトニックに上るパターンです。上りなので#2度としましたが、中身・フレーズとも♭3度ディミニッシュと全く同じです。
そして、ドミナント3兄弟の三男のことです。前後のコードと併せて改めてコード進行パターンを見てください。

上りdim

1度ディミニッシュ

トニック・ディミニッシュからトニックに解決するパターンです。星に願いを などに見られます。
また、アレンジとして Cmaj の前に Cdim を挿入することもよくあります。Cmaj のメロディが、

B音(maj7)  D音(9th)  F#音(#11th)  A音(6th)

などの時に Cdim-Cmaj とハーモナイズすると美しいです。

トニックdim

ディミニッシュのしくみ 2

トニック・ディミニッシュを時計文字盤の「12時のグループ」とすると、他に

  • 1時のグループ:1時 4時 7時 10時
  • 2時のグループ:2時 5時 8時 11時

があります。
1時のグループは置いといて、2時のグループについて解説します。

2時のグループ:Ddim = Fdim = G#dim = Bdim

ディミニッシュ・コードにも他のコードと同じようにテンションがあります。もともとのトニック・ディミニッシュ(12時のグループ)はコード・トーンのみで、テンションは入っていません。2時のグループがそのままテンションになります。ディミニッシュ・コードの上にそのままディミニッシュ・コードがテンションとして乗っかります。
12時のグループ代表が Cdim ですので、テンションも2時のグループ代表 Ddim だけで考えます。2時のグループ 残りのコードはほとんど出てきませんので、今のところ覚えなくて大丈夫です。ニアネスオブユーとかジョビンの曲などでたまーに見かけますが、何だこれ?というディミニッシュが見つかった時に改めてこのサイトを見て、その時に勉強すればいいと思います。

Cdim のテンションは Ddim(全音上のディミニッシュ・コード)

この Cdim+Ddim 構成音を背丈の順に並べ直すと Cdimスケール となります。
全音-半音-全音-半音-・・・・・ というやつです。

と言うわけで、12時のグループと2時のグループは仲間です。合併して同じグループで考えてください。

ディミニッシュのしくみ 3

残った1時のグループは、形はディミニッシュですが、トニック・ディミニッシュではありません。あるドミナント・コードが化けたものです。

1時のグループ:C#dim = Edim = Gdim = A#dim

1時のグループ、コードは4つありますが、実際に譜面に登場するのは C#dim だけです(特別なアレンジ譜面は除きます)ので、残りは忘れてOKです。
どのように登場するかと言うと、普通の循環コード進行の A7 が C#dim に置き換わります。

Cmaj7  A7   Dm7   G7
     ↓
Cmaj7  C#dim  Dm7   G7

A7 は Dm7 のドミナントです。A7にテンション(♭9)を加えて、ルート音を3rdの C#音 にすると、Dm7への流れがとてもスムーズでカッコよくなります。ただし、

A7(♭9)onC#

というややこしいコードネームになってしまう、C#dim と書いた方が簡単! ということでよく置き換えられます。dimの形をしていますが、本来のトニックdimではありません。

譜面に出てくるのは、この進行がほとんどです。アドリブするときは C#dim を A7 に戻して A7-Dm7 の流れで考えればOKです。

ディミニッシュ・フレーズ 1

ディミニッシュをどう弾くか について解説します。ディミニッシュの冒頭でネガティブなイメージの話をしましたが、なぜそう感じてしまうのでしょう?理由はディミニッシュ・スケールにあります。

ちょっとここで大事な話をひとつ
ディミニッシュに限らず、他のコードでも皆さんスケールスケール言っていますが、スケールというのは「あいうえおかきくけこ」「あかさたなはまやらわ」みたいなもので、言葉としての意味はありません。スケール練習を頑張ってアドリブできるようになっても、意味のない言葉では相手に何も伝わりません。お上手ですねー で終わりです。それよりも、多少舌足らずでも、話の内容が良ければみんな惹き込まれます。

もちろん、チェロやヴァイオリンなど音程を合わせるのが難しい楽器の練習や、テクニックの習得という意味ではスケール練習は大切だと思いますが、よいアドリブをするための練習としてはスケールではなくフレーズ(意味のある言葉)の練習がより大切です。 目的に合せて練習方法を選ぶ ということです。

さて、ディミニッシュ・スケールに話を戻しましょう。前述のように、このスケールは 全音-半音-全音-半音-・・・・・ というふうに機械的に音が並んでいます。言葉にすると暗号のようなものでしょうか。 え?なに? っと一瞬興味をひくかも知れませんが、特に何も伝わりません。今のは何だったんだろう? くらいです。 なぜか!

ディミニッシュ・スケールには不純物が多すぎます。水が濁っていて、なんだろう?この液体は? 怪しくよく分からないイメージになってしまうわけです。
一度、不純物を全て取り除いて、無色透明のディミニッシュにしてみましょう。
Cdimスケールの構成音は、

ド・レ・♭ミ・ファ・♭ソ・♭ラ・ラ・シ

この中から♭が付いている音を取り除きます。Cmajスケールと一致する音だけにします。更に、ファ は Cmaj の3rd(ミ音)を邪魔する音なので(avoid note)、ここでも取り除きます。残った音は ド・レ・ラ・シ で、並び替えると、

レ・ド・シ・ラ

となります。これらの音が無色透明の美しいディミニッシュ・サウンドになります。
目からウロコ流では「レドシラ・フレーズ」と呼んでいまして、ディミニッシュ・コードをはじめ、多くのコード進行に応用できる「万能」と呼びたいくらい重宝するフレーズです。「レドレドシラー」や「シドシドシラー」など、どう組み合わせても良いフレーズになります。不純物が入っていないからです。
まずはレドシラ・フレーズで、けがれのないエーデルワイスのように美しいディミニッシュを身に付けてください。

フレーズ例はのちほど♪


ディミニッシュ・フレーズ 2

けがれを知らないレドシラ・フレーズ、、、タバコを1本与えてみましょう。
信じられない!不届き者! となるでしょうが、実はこの不純物にカッコよさの秘密があります。ジャズのカッコよさ・色気を出すには、この不純物が不可欠です。
別にタバコじゃなくてもいいのですが、例えば水などの無色透明の液体に赤とか青とか色の付いた液体を一滴垂らすと、一瞬ですが美しい模様が浮かび上がります。ディミニッシュでも不純物を上手に使うことで、よりカッコいいフレーズが生まれます。
サングラスにリーゼントみたいな兄ちゃんこそ、階段で困ってるおばあちゃんを助けてあげるものです。不純物!不良!なんて白い目で見てはいけません。

レドシラ・フレーズに不純物を1音加えます。元々の Cdim のコード・トーン:♭ミ です。

レ・ド・シ・ラ + ♭ミ

♭ミ が入ることによって、色気というか、妖艶というか、、エーデルワイスが銀座のおねーさんになります。
更に、もう一つのコード・トーン:♭ソ を加えるとフレーズの幅がぐっと広がります。

フレーズ例はのちほど♪

ここまで来ればディミニッシュ・マスターです。純粋に美しいディミニッシュ、妖艶なディミニッシュ、どちらも使いこなして 美しいディミニッシュ・サウンドを奏でてください。



その他 よくあるコード進行


循環コード進行

マイナーに向かう流れ(A7➜Dm7)と メジャーに向かう流れ(G7➜Cmaj)で出来ています。「1625」とも呼ばれます。もっとも重要なコード進行パターンです。
最初の Cmaj を Em7 にすることもあり、その場合「3625」と呼ばれます。
詳しくはアドリブ練習方法のページをご覧ください。

よくあるコードパターン-web-1

1436進行

度数をそのまま名前にしました。一般的かどうか分かりませんが、僕はそう呼んでいます。Cmaj と Em7 の間に Fmaj が挟まっていて「トニックーサブドミナントートニック」という形になっています。バッキング・ハーモニーはこの通り演奏しますが、アドリブ・フレーズとしては Cmaj のトニック・フレーズで通すのも手です。細かいことは気にせず、大きく歌う方がいいアドリブになるような気がします。

よくあるコードパターン-web-2

2度セブンスから2度マイナー

もう名前はどうでもよくなってきました。「A列車でいこう」はじめ多くの曲に見られるパターンです。D7 と Dm7 は全然違うコードなので無理にフレーズをつなげる必要はなく、D7 のあと一呼吸おいて Dm7 を弾くといいです。
一方、Am7 と D7(Lyd7)はよく似たコードなので(ほとんど同じ)どちらも同じフレーズでOKです。

よくあるコードパターン-web-3

♯4度から下降

この進行が苦手な方も多いと思います。僕も長い間そうでした。F#m7-5(F#ハーフディミニッシュとも呼びます)は D7(Lyd7)の転回形です。転回することでルートの動き(ベースの動き)が半音進行になるのでよく使われます。D7(2度セブンス)と思って弾くと分かりやすいかも知れません。
Night and Day など。

よくあるコードパターン-web-6

2度セブンスからディミニッシュ

これも敬遠されがちな進行です。Lyd7とdim、よく分からんコードのゴールデンコンビです。On Green Dolphin Street, There Will Never Be Another You など。
上の2つと下の2つ、全然違う進行に見えますが、意味は同じです。B7 は ディミニッシュの代理コードで、詳しくはディミニッシュのコーナーを作って書き足していく予定ですので、お楽しみに。
こういうムズカシイ進行に真面に立ち向かっても撃沈しますので、どちらにも共通の「レドシラ・フレーズ」を使ってスマートに弾きこなすことをお勧めします。レドシラ・フレーズもディミニッシュのコーナーで紹介する予定です。

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