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アドリブ練習方法

アドリブ練習方法

コードの解釈

ジャズを演奏するうえで大切なこと、アドリブの練習の仕方など、少しずつ書いていこうと思います。ぜひお役立てください。

ジャズはどうしても「敷居が高い」「難しい」なんて思われがちです。曲に合わせて自由にアドリブするなんて夢のまた夢・・・・・なんて思っている方も多いと思います。
アドリブの練習方法はいろいろあると思いますが、一般によく言われる「スケール練習」を頑張ってもなかなかアドリブできるようにはなりません。

アドリブの練習は外国語の練習によく似ていると思います。次のような状況をイメージしてみてください。

外国から学生さんが1ヵ月間ホームステイすることになりました。日本での生活や文化をたっぷり体験させてあげよう!なんて意気込む訳ですが、彼(または彼女)は日本語が全く話せません。たったの1ヵ月間でどんな言葉を教えるでしょう?

「こんにちは」などの挨拶はもちろん、

  • すみません ・これ幾らですか? ・これください
  • 駅はどっちですか? ・ありがとう

とりあえずこんなフレーズを覚えれば早速街に出掛けて買い物ができちゃいます。
必要最低限のフレーズを覚えて、とりあえず使ってみる。言葉が通じると嬉しく、自信が持てます。

  • ちょっと高いね~ ・まけてください!

なんて言葉も覚えたりして、ますます会話が楽しくなっていきます。
アドリブの練習も同じで、曲に合わせてフレーズをどんどん弾いていきます。

コード進行の流れ

アドリブで使われるフレーズにはどんなものがあるのでしょう?
道に迷ったら「駅はどっちですか?」というように、状況や場面によって使うフレーズがだいたい決まってきます。
曲のコード進行の中にもいろいろな場面が出てくるわけですが、特に重要な場面が2つあります。

  • メジャーコードに向かう流れ G7 ➜ Cmaj7
  • マイナーコードに向かう流れ A7 ➜ Dm7

まずはこれらの場面に合うフレーズを1つずつ覚えて、循環コード進行 に合わせて練習していきます。循環コードはこの2つの流れが交互に出てきますので、最初の練習曲に最適です。

循環コード進行 ( Cmaj7-A7-Dm7-G7 の繰り返し)

循環コード進行


具体的なアドリブ練習方法

具体的な練習方法を紹介します。

  • 練習用のバッキングを作る
  • 基本フレーズの練習
  • フレーズを好みにアレンジ

練習用のバッキングを作る

まずは練習用のバッキングを作ります。スマホやレコーダーなどに循環コードのバッキングを録音します。

循環バッキング

  • メトロノームを60前後に合せて、1拍・3拍で感じてください。どうしても慣れない場合は2拍・4拍でも構いません。
  • この4小節を何度も繰り返して1分間ほど録音してください。


基本フレーズの練習

アドリブのコツは「フレーズを使いこなす」ことです。
II-V-Iフレーズをたくさん覚えるのではなく、まずは1つのフレーズを極めます。
ドミナント・フレーズをちょっとアレンジしたり、着地先のメジャーやマイナー・フレーズを何種類か弾き分ける ということです。そうすると、同じフレーズを弾いても「また同じフレーズ弾いちゃった…」とはならず、新鮮な気持ちでアドリブできます。

何十色の絵の具をずらっと並べるのではなく、数種類のお気に入りの色を使いこなして自由に描いていくイメージでしょうか。使いこなすコツを掴んだら、新しい色を少しずつ増やしていきます。

フレーズをたくさん覚えたって、どうせ忘れちまいます。
お気に入りのフレーズを使いこなして、自由なアドリブを手に入れてください。
その為の練習として、次のフレーズを使って練習していきましょう。


基本フレーズ
C循環基本フレーズ


まずは、録音したバッキングを聴きながら、フレーズをハナ歌で歌ってタイミングを掴みます。
バッキングに合わせてこのフレーズを100回練習してください。崩したくなっても我慢して譜面通りに100回です。そんなに難しいフレーズではないので、10回も弾けばスムーズに弾けるようになると思いますが・・・・・

30回になると、指が覚えて余裕で弾けるようになり、少し飽きてきます。
50回になると、だいぶ飽きてきて、少しイライラし始めます。
70回になると、相当腹が立ってきます。
「なんで俺はこんなことしてるんだ!あと30回もやってられっか!」

ここまで来ると、頭の中はフレーズのことではなく、「なんで俺はこんなこと・・・・・」と全然別のことを考えています。循環コード進行が聴こえると無意識にフレーズを口ずさんでしまう自分に、とてもムカつきます。ですが、そのくらい余裕ができているということなのです。アドリブには、この「余裕」がとてもとても大切です。
残り30回、たっぷりストレスを溜めて、次のステップで発散してください!


フレーズを好みにアレンジしよう

アドリブできるようになるための最大の壁「100回練習」を見事越えられた方、お疲れさまでした! これより苦しい練習はもうありません。ここからは楽しい音楽の時間です。
100回練習中に「フレーズを崩す」みたいなアイデアは浮かんだでしょうか?

  • この音はスライドさせるといいかも
  • ここで1回引っ掻いてみるか(ハンマリング・プリング)
  • 譜割を変えたらどうなる?
  • フレーズの前後に音を付け足してみるか

基本フレーズを好みにアレンジして、新しいフレーズに仕立て直してください。モミの木に飾り付けしてクリスマスツリーにするイメージです。1つだけじゃなく、2~3個考えてみてください。


マイナー・ドミナント・フレーズのアレンジ例
マイナードミナント

メジャー・ドミナント・フレーズのアレンジ例
メジャードミナント

いかがでしょう?ちょっと変えただけでも結構雰囲気が変わるものです。
これらを自由に使えるようになるまで、さらに弾き込んでください。


着地したメジャー・フレーズをアレンジしよう

ドミナント・フレーズがある程度自由になったら、次はメジャー・フレーズです。着地してからのCmaj7をどう弾くか、実はこれがアドリブのとても大切なポイントです。
ドミナント・フレーズはひとまず基本形に戻して、メジャー・フレーズを弾き込んでください。

メジャー・フレーズのアレンジ例
メジャー


ついでにマイナーもやっちゃいましょう。

マイナー・フレーズのアレンジ例
マイナー

着地先のフレーズが変わるだけで新しいフレーズになります。聴いている人はもちろん、弾いている本人も気分が全然違うと思います。
これが「フレーズの使いこなし」アドリブの第一歩です。ぜひ実践してください! 


8小節パターンでの練習

スタンダード曲の構成は AABA や ABAC など8小節で区切ることが多いので、8小節パターンで練習しましょう。 AABA の A に当たります。
ドミナント・フレーズとメジャー・フレーズ、どちらもアレンジして自由なアドリブを手に入れてください。

C循環2コード進行


C循環2フレーズ


フレーズ使いこなしのコツ・練習方法を掴んだら、あとは好きなプレイヤーのフレーズをコピー・分析して、同じ要領で練習すれば使いこなせるようになります。

階段が10段あるとしたら、1段目が最も重要で、「これでもか!」というくらいカチンコチンに踏み固めることが大切です。形だけ1段目ができたからといって2段目に取り掛かっても、豆腐の上に重ねていくようなものですから、いずれべチャっと潰れます。
初心者だけでなく、中級・上級レベルの方もこの機会に初心にかえり、1段目をしっかり踏み固めて、今までの悩みを吹き飛ばしてください。



スケール練習について

アドリブは様々な練習方法があると思います。よく耳にするのは「スケール練習」ですね。

各コードに対応するスケールがありますので、まずはスケール練習から始めましょう!? 今日はドリアンからーーー

・・・・・という練習をしている方も多いと思います。スムーズな運指や指板のしくみを覚えるためにスケール練習は有効だと思いますし、楽器によっては正しい音程を保つためにとても大切な練習だと思います。

ですが、「アドリブの習得」という面では、目からウロコ流ではスケールをほとんど使いません。Cメジャー・スケールだけで十分です。
指板上のドミソの形を意識しながら「ドレミファソラシド」を行ったり来たり、「ソラファソミファレミ・・・・・」ノコギリのように行ったり来たり、、こんな練習は僕もよくやります。
その他の、ドリアンとか藤里庵…フリジアンか(^_^;) などは、昔練習したことはありますが、今は全く使いませんし意識もしていません。名前を間違えるくらいです。
これらを練習する時間は、ぜひ「フレーズの練習」に使ってください。

  • スケール
  • テンション

この2つの単語さえなければ、ジャズはずいぶん楽になるような気がしませんか?

スケールというのは「あいうえお・かきくけこ」や「あかさたなはまや…」のようなもので、言葉としての意味はありません。スケール練習を頑張ってアナウンサー並みに流暢に話せるようになったとしても、意味のある言葉じゃないと会話はできませんよね。
コード進行の流れに沿って意味のある言葉で会話できるようになるには「フレーズの練習」が必要です。

  • すみません、近くにコンビニありますか?
  • あ、そこの角を右に行くと看板見えますよ

国語テストの回答としてはあまり良くないかも知れませんが、実際の話し言葉としてのフレーズです。変に気取らない、自然な会話になると思います。

フレーズを覚えて、ある程度会話ができるようになってからスケールや理論を勉強すると、理解度が全然違います。「理論はあとからついてくる」というのは、「あとで勉強した方が効率がいい」という事だと思います。
アドリブ初心者がスケール練習やジャズ理論を熱心に勉強することは、ホームステイの1ヵ月間ずーっと部屋にこもって日本語の文法を叩き込まれるようなものです。仮に1ヵ月間耐えたとしても「2度と来るかっ!」となるのは当然ですよね。
それより、実践フレーズをどんどん覚えて使いこなして「会話や音楽を楽しむ」ことに没頭してください。アドリブできるようになる一番のコツは「練習が楽しい!」ことです。


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